平成26年第2回定例会(平成26年5月)一般質問

Q
 私は、自由民主党大阪市会議員団を代表いたしまして、今後の橋下市政について質問をいたします。
 一旦立ちどまっていた橋下市政が改めて動き出したわけでありますが、市長は平成23年の初当選以来、大阪都構想の推進や市政改革プランに基づく市民サービスの削減など恐ろしいほどのスピードでさまざまな改革に邁進されてこられました。これに対して我が会派は一貫して大阪市民の生活を守るという立場で時に賛同し、また時に異を唱えてまいったところであります。しかしながら、市長は、これを反対のための反対と捉えみずから対立構造を演出し、ついには出直し選挙にまで打って出ることで局面の打開を図ろうとされました。
 しかし、市民が求めているのは対立による市政の停滞ではありません。大阪市の成長・発展のためにはさまざまな改革が必要であるとの考えは市長と認識を同じくしているところであります。市民にとって最良の方策を選択するためには、市長と市民の代表である議会が切磋琢磨し十分な議論を行った上で合意点を見出すことが必要であります。先ごろ提案された骨格予算において我が会派が修正を行ったのは、修正点全てに反対していたからではありません。新たな施策については、市長も当然議会との議論が必要と考えていると思うのは買いかぶりでしょうか。本日は、市長との間で一つでも多く合意点を見出してまいりたいとの立場で数点にわたり質問をさせていただきます。
 まず最初に、水道事業の民営化について伺います。
 このたび水道事業民営化の基本方針案が示されましたが、そもそも橋下市長は知事の時代には府市水道事業の統合を主張され、また市長になられてからは水道事業の将来を考えた場合、大阪広域水道企業団との統合がベストであると提案してこられたことを考えると、まさに議論があっちに行ったりこっちに行ったりという感じがいたします。市民にとって大切なライフラインとしての水道のあり方を軽々に扱っているんではないかとの不信感を拭うことはできません。水道事業の経営形態を真摯に議論するためには事業の直面する課題にしっかりと向き合い、それをいかにして解決するかという視点が必要であります。
 また、今回の改正PFI法による民営化についても意義や活用することのメリットを正しく認識することが重要と考えますが、まずはこの点について水道事業管理者である水道局長の認識を伺います。
A

玉井得雄水道局長

 まず、事業の課題とその解決策についてでございますが、本市の水道事業につきましては長期にわたり水需要の減少が続く中、この間の人員の見直しなど公営企業として行い得る効率化を徹底して進めることで収益の減を上回る費用の削減に努め、一定の黒字を確保してまいりましたが、今後も水需要が下げどまることは見込みがたく極めて厳しい経営環境にあるものと認識いたしております。
 また、他の水道事業体と比べ経年化した管路の割合が高く、耐震性を向上する意味からも管路の更新を現状より大幅にペースアップしていくことが必要であります。収益が減り続ける中、市民、お客さまに負担をお願いすることなく管路耐震化ペースアップに伴う事業費を確保していくためには、これまで以上に組織の生産性、効率性を高めていくことが不可欠でございまして、こうした観点から公営企業の枠にとらわれることなく経営形態の見直しに向けた検討を進めているところでございます。
 次に、改正PFI法の活用、公共施設等運営権制度についてでございますが、この制度は施設の所有権を公共主体が有したまま施設の運営権を民間事業者に設定するものでございまして、国内のインフラ整備、運営を行ってきた公共部門について民間の資金を活用すること、また組織の持つ運営ノウハウや技術力を民間事業者として最大限活用することにより事業が効率的かつ効果的に実施されるとともに発展、拡大していくことを期待するものでございます。
 本市水道事業にこの制度を活用することで、そのメリットとして災害時の施設復旧に伴う国庫補助がこれまでと同様に対象となり、また市と運営会社が交わすこととなる契約書の中で施設整備の基準や管理レベルを定めることで将来にわたり事業の持続性を確保することや安心・安全に向けた取り組みを強化することにつながります。結果として、水道事業の公共性を確保することと経営の自由度を発揮し事業の持続性、発展性を目指すこと、この2つを両立させるものでございます。以上でございます。

Q
意義について答弁いただきましたが、非常に楽観的であると言わざるを得ません。水道事業が直面する課題は、老朽管の更新などによる耐震化を促進することや、人口減少社会が到来し、ますます厳しさを増す事業環境の中、いかにして事業の持続性を確保するかということであります。しかし、橋下市長は、この間水道事業の民営化について料金の値下げばかりを前面に押し出そうとされております。また、民営化が実現しなければ値下げどころか値上げもあり得るとの考えを示すなど、地下鉄の民営化と同じようなロジックを展開しておられます。これまでの市長の言動をうかがう限りは、この民営化が真に水道の将来を見据えたものではなく、水道料金の値下げと職員の非公務員化による合理化をアピールするだけの政治的パフォーマンスにすぎないのではないかとの疑念を抱かざるを得ません。そうであるならば、水道事業の経営形態のあり方についてまともな議論は到底できないと考えます。また、平成27年度中の民営化を目指すというスケジュール感に至っては全く理解ができません。合意点を見出すため、市長の御所見をお伺いします。
A

橋下徹市長

 僕も議員の指摘は全く理解ができません。水道事業の民営化といいますか公共施設等運営権制度の活用というものは、まさにアベノミクスの軸だと思うんですけども。僕は野党の党首でもありますけども、アベノミクスが成功するんであれば、それが大阪にとっていいんであれば野党ももう何であろうが関係ないという思いで、まさにアベノミクスを大阪の地で成功させようという思いでこれずっとやってきているところでもあります。
 府水道企業団との統合、最初これを目指しましたけれども、そもそも議員は水需要予測に基づいて今後の水道事業がどうなるかという予測を立てられてるのでしょうか。今の現状のままだったらもうこれじり貧です。そうであれば、府水道企業団との統合というものが議会で否決された以上、本来は議会のほうから対案を出してもらわなきゃいけないのに対案が出ないから、僕これ民営化という話に今度振りかえて検討の指示を出しているわけです。今回の水道民営化の基本プランとそれから実施プランですか、詳細プランですか、これ本当に行政的によくできてます。国とも協議を全部詰めて、いろんなさまざまな行政課題については全部詰め切ったプランで、僕は本当に行政的にすばらしい案だと心底思ってます。そういうことの議論抜きに民営化案がパフォーマンスだとかそういうことを言われるのは心外です。これは水需要予測をすれば、これから老朽管の更新をするのにどうするんですか、じゃ負担を上げろというんですか。そういう解を議員のほうから、また自民党さんのほうからも何も対案を出されずに反対、反対と言うんであれば、どうするか教えてもらいたいんです。僕は、これからの少子高齢化時代を迎えて大阪市水道局の技術を継承させるために、また水道局の組織を発展させるためにはこの案しかないと思ってます。
 さらに、議会のほうの無責任なことの一例ですけども、現業職の給与構造について全然議会はチェックしてなかったじゃないですか。民間企業との比較をやって、この3月かな、水道局長が労使交渉の中で民間給与カーブを合わせにいったなんてことも皆さん御存じなんですか。こういう問題もずっと放置をしておいて新しいことをやることについて反対、反対と言うんだったら、どうやって水需要予測のもとに、これから水道事業がじり貧状態になるであろうという予測の中で水道局の技術を継承させるのにどのような方策があるのかぜひ教えていただきたいと思ってます。
 改正PFI法を使うなというんだったら、ぜひ大阪市議会で自民党、公明党さん、水道事業の民営化、こんなのは成長戦略にならないという改正PFI法の廃止意見書でも何でももう政府に出してください。

Q
市長、我々は改正PFI法による民営化を全否定しているわけではありません。そんなことは一言も言っておりません。制度の趣旨を正しく理解し、しっかりと地に足のついた議論であればと考えますけれども、それでも市長のスケジュール感はおかしいと申し上げてるわけであります。  次に、大阪市鉄道ネットワーク審議会の中間取りまとめについてお聞きをいたします。  2月末に地下鉄8号線の未着工区間に関する中間取りまとめとそれを踏まえた提言が出されておりますが、新聞によりますと、今里筋線の延伸は困難とか事業化は極めて厳しいなどと否定的な趣旨の報道ばかりがなされております。そもそも審議会では未着手の地下鉄条例路線について事業化方策を検討してもらうものであると聞いておりましたが、地下鉄8号線の未着工区間の必要性を大前提としている審議会で検討された中間取りまとめに対する交通局の考えをお聞かせください。
A

藤本昌信交通局長

 大阪市鉄道ネットワーク審議会におきましては、昨年度は未着手の地下鉄条例路線のうち主として地下鉄8号線すなわち今里筋線の延伸について、その事業化方策を御審議いただいておりました。収支採算性、費用対効果を試算いたしましたところ、現在の補助制度のもとでは事業化の可能性は公営・民営にかかわらず大変厳しいとの結果が示され、新聞記事につきましてはこの部分が報道されたものと考えております。
 中間取りまとめの主要論点は、こうした試算結果を踏まえ地下鉄8号線の延伸を実現するためには需要の喚起・創出等が必要であるとし、その上で需要の喚起・創出の観点と沿線地域の実情等を踏まえ、そのルートや輸送機能などに応じた多様な機種、すなわちLRTやBRTなどの導入可能性も含め幅広く検討する必要があるとされております。
 さらに、同中間取りまとめを踏まえた提言におきまして、BRTによる需要の喚起・創出及び鉄道代替の可能性を検証するための社会実験の実施に向けた検討について、交通局としては本市交通政策を所管いたします都市計画局と連携・協力をさせていただきながら早急に検討するとともに、事業者としてできることをしっかり取り組んでまいりたいと考えております。そもそも同審議会は地下鉄民営化を進めることとセットで、市民の、とりわけ今里筋線沿線住民の御不安に対応するために設置されたものであることに鑑み、来年度までに予想されております答申に向けて今後も努力をしてまいる所存でございます。

Q
まさに報道は不十分であったということであります。  また、交通局長の御答弁にもありましたが、中間取りまとめにあわせて審議会から地下鉄8号線未着工区間に対しバス・ラピッド・トランジット、いわゆるBRTによる需要の喚起・創出及び鉄道代替の可能性を検証するための社会実験の実施に向けた検討を行うことが提言されております。我が会派は、地域の活性化や新たな移動需要を生み出していく観点からこの提言が大きなステップであると考えております。今後の地下鉄8号線未着工区間について早急にBRTの社会実験の準備を行うべきと考えますが、都市計画局の考えをお聞かせください。
A

川田均都市計画局長

 バス・ラピッド・トランジット、いわゆるBRTにつきましては、速達性や定時性を確保することによりましてバス輸送の効率性を最大限発揮させますとともに、将来の交通需要の変化に柔軟に対応できる新しい公共交通システムでございます。さらに、このBRTと地下鉄が結節いたしますと公共交通ネットワークの充実が図られ、地域の交通需要によい影響を与えることも予想されます。そのため、本市における公共交通ネットワークのあり方の観点から地域の人の動きの変化や需要予測などを行いますとともに物理的、技術的な課題、社会実験に要する費用などにつきまして検討を進め、社会実験を実施する際に一定水準の成果が得られる必要があると考えております。今後、地下鉄8号線の予定事業者でございます交通局と連携し、社会実験の実現に必要となる具体的な検討を進めてまいりたいと考えております。

Q
 方法やスケジュール等決めなければならないことはたくさんあります。両局連携していただきまして早急に具体化いただくことを熱望いたします。
 次に、リニア中央新幹線についてお伺いします。  リニア中央新幹線については、全線開業されれば東京・大阪間を67分で結び、日本経済再生の引き金になるとともに国土の強靱化にも資する国家プロジェクトであります。国土のグランドデザインの観点からも一日でも早い全線開業が必要であります。しかしながら、JR東海は巨額の債務を一度に抱えることができないとの判断から平成39年に東京・名古屋間を開業し、東京・大阪間全線が開業するのは平成57年と計画しており、この18年のおくれが大阪・関西のみならず日本経済の大きな損失になることは火を見るより明らかであります。
 こういった状況を受け我が党では、先月24日に国会議員で構成する超伝導リニア鉄道に関する特別委員会において、東京・大阪間の全線同時開業を実現するため、JR東海に対する無利子融資などを国に求めることを決議したところであります。聞くところによりますと、JR東海は今年度中にも東京・名古屋間の着工をするようであり、今まさに大阪市としても全線同時開業に向けて積極的な取り組みが必要であると考えます。リニア中央新幹線の全線同時開業に向けた市長の御認識をお伺いします。
A

橋下徹市長

 東京・大阪間の全線同時開業は日本にとって必要なことだというふうに思っておりまして、大阪市も大阪府や経済界と連携しまして全線同時開業の実現に向けてその効果や実現方策を検討するとともに国やJR東海に働きかけていきますが、JR東海が全くもう聞く耳持たずのような状況ですから、一番早いのは自民党、公明党でもう法律つくってもらうことだと思うんですけれどもね。融資の枠も含めて。
 僕から質問できないので非常にあれなんですけども、本当に逆に自民党や公明党の皆さんにどうやって政府を動かしてもらうのかそこをお伺いしたいんですが、僕から質問できないのでぜひ市議会の皆さん、自民党、公明党の皆さんに頑張っていただきたいと思います。

Q
市長、そうおっしゃらずに手を携えてまいりましょう。  
 次に、住吉市民病院用地への民間病院誘致についてお伺いします。  さきの2月・3月市会において(仮称)府市共同住吉母子医療センターの26年度の整備費が計上されておりましたが、当時は市長が不在であったため政策的な議論ができませんでした。また、住吉市民病院用地へ誘致する民間病院との基本協定も予定どおりに締結されていないとのことであったため当該予算が可決されなかったわけであります。そもそも誘致する民間病院と急性期・総合医療センターは、大阪市南部地域に不足する医療機能を互いに補完し密接な連携を図りながらよりよい医療を住民に提供していかなければならないという位置づけにあります。
 平成25年3月の附帯決議の趣旨は、地元住民の安心に向けた取り組みとして(仮称)府市共同住吉母子医療センター整備後も他の医療圏域に比べてなお不足する大阪市南部基本保健医療圏における小児・周産期医療を確保するため、これを継続的に担う意欲を持った民間病院の誘致を市が責任を持って実施することを求めているものであります。改めて病院局に附帯決議で求める住吉市民病院用地への民間病院誘致を責任を持って実施することへの決意をお伺いします。
A

瀧藤伸英病院局長

 民間病院の誘致につきましては、平成25年3月の予算市会におきまして住吉市民病院の廃止条例案の可決の際に付されました「(仮称)大阪府市共同住吉母子医療センターの整備にあたっては、現行の住吉市民病院が担っている産科・小児科等の機能存続と南部医療圏の小児・周産期医療の充実のため、責任を持って民間病院の早期誘致を実施すること。」という附帯決議に基づき、同年12月に事業予定者を決定してきたところでございます。
 当初のスケジュールより遅延しておりますが、現在民間病院の運営等に関する基本的事項を定めます基本協定書の締結に向けて事業予定者と協議を続けております。府市共同住吉母子医療センターとの連携のもと、提案内容の確実な実行を保証する内容を含む基本協定書を早期に締結するよう努めてまいります。よろしくお願いいたします。

Q
 次に、公募校長についてお伺いします。
 市長は、民間の新しい発想を取り入れ組織の活性化を図るために公募校長を登用されております。先ごろ公募制度そのもののあり方についての論点整理をされましたが、資料を拝見するとあくまでも公募制度ありきという考え方に変わりはないようであります。実際に昨年度から公募校長の不祥事が後を絶たず、本市の公募制度全体が市民からの信用を失っている状態にあります。また、公募校長のために今年度から3名の退職校長を派遣し学校運営をフォローするための制度を構築するとともに、この年度末の人事異動では学校運営に課題のある公募校長を支えるため新たに副校長を配置するということも行っております。公募校長を採用し支えるために一体どれだけの無駄なお金と労力をかけるつもりなんでしょうか。
 さきの市会において公募校長採用のための予算案は減額修正されました。これまで我が会派は公募制度に関して採用のあり方、採用後の民間人校長の実績について評価・検証を行うべきであることを繰り返し主張してまいりました。この評価・検証が行われていない現状においては一旦制度を凍結し、来年度の選考実施を見送るべきであると考えますが、大森教育委員長の見解をお伺いします。
A

大森不二雄教育委員会委員長

 校長公募につきましては、大阪市立学校活性化条例及び大阪市教育振興基本計画に基づき、すぐれたリーダーシップを有する人材を広く内外から登用するために実施しております。外部人材につきましては、民間企業等で培われた柔軟な発想力や企画力を生かした学校運営により学校組織が活性化されることを期待しています。初年度たる昨年度は懲戒処分を受けての退職を含め2名が退職するなど順調でない面もございますが、一方で従来の慣行にとらわれない視点や発想でこれまで取り上げられなかった問題を積極的に見つけ出しておりますことや、校長経営戦略予算では外部公募校長の申請した取り組みが高い評価を得るなどよい面も多くございます。
 教育委員会といたしましては、昨年度の実績と反省点も踏まえ、経験豊かな退職校長の学校訪問等を通じて継続的な支援を行うことにより外部公募校長に民間等で培ってきた組織マネジメント能力を遺憾なく発揮してもらい、本市の学校における課題の発見や目標の設定、達成などに貢献してもらえるよう支援体制を充実いたしました。
 また、副校長の配置につきましては、当該中学校における学校運営上の課題が大きいことから、組織体制を強化し課題解決を図るために今年度より1名配置いたしました。
 公募校長の採用のあり方につきましては、2年目の本年度採用者の選考においては人物重視の選考を行うなど一定の改善を行ったところでございますけれども、今般の公募制度のあり方検討プロジェクトチームにおける論点の整理を踏まえまして、さらなる改善策を教育委員会として検討してまいります。学校に多様な価値観を取り入れ新しい風を吹き込むという観点から外部人材を登用してまいりますことは、本市の学校教育の改善・改革にとって重要であると考えておりまして、校長公募制度につきましてはよりよい制度へ改善を図りながら引き続き運用してまいりたいと考えております。

Q
 今おっしゃった外部人材に対する期待はおおむねもろくも崩れたわけであります。また、公募制度の論点整理の問題点は先ほど申し上げたように、まずは公募ありきという考え方以外にも1年ごとの更新という方策がこれまで採用した公募人材には当てはまらないこと、そして何よりも適格性の評価が結局は市長や教育委員長に委ねられているということであります。
 また、校長戦略予算で外部人材が高い評価を得ているという御答弁につきましても、詳しくは常任委員会に譲りますが、とてもではないですけども外部人材がすぐれているという一例ではないということだけ申し上げておきます。
 さて、再度大森教育委員長にお伺いします。大森教育委員長は、公募校長の半数は外部人材で占めるべきであるという持論をお持ちでいらっしゃいました。しかし、2年目の応募者が1年目の6分の1以下に減っており、大小さまざまな不祥事が続出し、御答弁の順調ではないという言葉ではとても済まない状況の中、それでもその持論に変化はないのでしょうか、お伺いします。
 また、今回陳情書が提出されているように一旦更迭が報道された公募校長が急遽、更迭撤回となりました。当該中学校では昨年度も大混乱でしたが、新年度以降一層混乱をきわめており、教育委員会会議で更迭撤回を主張された大森教育委員長は関係者へのヒアリングで校長、前教頭、学校協議会会長という3人の意見を聴取し、一方でこの1年以上にわたって悩まれている保護者の意見を聞かなかったのはどういった理由からでしょうか。あわせて大森教育委員長の御所見をお伺いします。
A

大森不二雄教育委員会委員長

 昨年度の校長公募におきましては当初は外部校長枠として35名と設定いたしましたが、これにつきましては校長に求められる資質・能力において一定の水準をクリアした者を35名という採用枠にとらわれずに人物本位で選考することといたしたところでございまして、結果としては12名を採用したところでございます。
 今年度の校長公募の採用のあり方につきましては、公募制度のあり方検討プロジェクトチームにおける論点整理を踏まえまして今後教育委員会会議において議論してまいります。
 いずれにいたしましても、必要な資質・能力に関し一定水準以上と判断した者しか採用しないこと、すなわち人数ありきの採用を行うつもりはないことは理解いただきたいと考えております。
 学校協議会会長からの意見の聴取につきましては、学校協議会はその構成員に保護者を含んでおります。また、社会教育団体たるPTAと異なりまして、学校協議会は学校の運営についての意見を述べる機能を担っております。これは学校活性化条例に基づく機能でございます。学校協議会の会長から意見を聴取することで、その構成員である保護者や地域住民の意見も含め広く状況を把握できると考えたところでございます。

Q
 持論に変わりはないかという質問に対しては答弁漏れではありますけども、人数ありきの採用を行うつもりはないということは半数は外部人材でという持論は撤回されたことと理解いたします。
 また、ヒアリングについて、保護者は学校協議会に入っているからとか学校協議会の会長から意見を聴取すれば十分だという答弁は、余りにも事の重大性を感じていない、学校現場に対して感受性ゼロの答弁であります。誤解のないように申し上げますが、当該学校の学校協議会の会長は私もよく存じ上げておりましてまさに人格者で人望も厚い方であります。要は、学校協議会の会長と保護者の代表の両方から意見を聴取すればよかったということを申し上げたいのであります。それとも保護者の方々から意見を聞くと、御自身の思惑どおりに事が進まないとでも考えたのでしょうか。我が会派は大森教育委員長の教育委員就任に同意をしませんでした。改めてこれは正しい判断であったと思っております。
 委員長におかれましては、あしたの本会議も当然出席をされることと思いますけども、今回の陳情書の審査があさって15日に行われます。必ず出席をいただき真摯な御答弁をお願いします。また、陳情が採択された際には陳情項目を誠意を持って実行いただきたいと思います。
 次に、市長にお伺いします。市長は、当該公募校長が校内人事のあり方を指摘したことを大絶賛されておりますけども、私が考えるには、指摘をするのは功績ではありますけれども、大きな功績というのは例えば人間関係を構築し人心掌握をして、ありていに言えば理解者をつくった上で指摘をして、そして解決に導くこと、これが大絶賛に値するんではないでしょうか。なお、この校内人事につきましては報道されていないような例えば形骸化などのさまざまな側面があります。この件については教育こども委員会に委ねたいと思います。
 また、私はかつて財政総務委員会において不適切なツイートをした公募区長の件で市長と議論をさせていただきました。そのときも申し上げましたが、市長が公募人材に対して行っているのは明らかなえこひいきであります。市長がひいきをすればひいきをするほど組織のモチベーションは著しく下がってしまいます。市長、ぜひ小学校のときのことを思い出してください。子供たちに一番嫌われる先生はひいきをする先生です。改めて我が会派は公募校長の採用の凍結を主張いたしますが、市長の御所見をお伺いします。
A

橋下徹市長

 えこひいきをする先生も人気がなかったですが、対案を出さない先生も人気がなかったです。反対ばっかりで。反対のための反対はしないと議員はおっしゃいましたけども、どうも反対のための反対にしか聞こえませんね、これ。やっぱり市立幼稚園の民営化の問題もそうだしこの問題もそうなんですけども、要は今までの大阪市の小・中学校、僕は大阪市の小・中学校で学びましたけども、これが100%正しいんですか。学力の低下は改善しない、体罰の問題も全く改善しない、場合によっては体罰の報告なんかもせずに本当に最悪な不幸な事態を生じさせてしまった。いろんな問題がある中で、内部の校長先生は僕は頑張っている人もたくさんいると思うけれども、でもやっぱり今までのやり方に対して異を唱えることができなかったそういう環境があるわけです。
 一つ、これ僕は前も議会で言いましたけれども、学校現場は何万人も教員がいるのに指導要領か何かを手書きでやってたやつをコンピューター化するということすら変えられないそういう現状、それから校内人事だって、議会の皆さんだって何十年もこれ放置してきたわけじゃないですか。やっぱり内部の校長も優秀な方はいますけれども、外部の人材の力をかりるということも必要なのかどうなのか、これはもう価値観の問題だと僕は思ってます。
 ですから、問題点は改善はしていかなければいけません。これは議員おっしゃるとおりです。そこはいろいろ議会からの意見を踏まえて必要なところはやっていきますけれども、外部人材の活用については法律の問題もあります。ですから、それは自民党、公明党の皆さんで法律改正また働きかけていただいてきちっと適正に人材の流動性、多様性が図られるような日本社会の仕組みをつくっていただきたいなと思っております。
 問題点は改善はしていきますけども、特に外部の公募校長、内外同一基準で審査をして問題はいろいろありましたけれども、いい部分もたくさんありますので、採用の凍結ですか、大体僕にこれは権限ないんです。採用の凍結。これも教育委員会制度のちょっと誤解があるんじゃないですか。
     (「市長はどう思われますか」と言う者あり)
 いや、僕は採用の凍結なんかする必要なくて、もうどんどんやっぱりこれは内外ともに公募という審査で校長を選んでいってもらいたいなと思ってます。これ外部の採用をとめろということなんですか、公募をとめろということなんですか、内部の人材を校長にするにしても、やっぱり公募という審査制度できちっと透明化されたルールのもとで校長を任用していくという、これは必要だと思います。その中で外部の人材だけをとめろというんであれば、僕はこれ自民党の価値観とは全然違うと思うんですけども。

Q
 ひいきをする先生が一番嫌われると申し上げましたけど、その次に嫌われるのは人の話を聞かない先生です。
 先ほど大森教育委員長にも申し上げましたが、市長におかれましても本件の陳情が採択された際には誠意を持って陳情項目を実行していただきたいと思います。恐らく陳情者の方は非常に悩んだ上で早急に実現可能な項目に絞られて提案をされたと思いますので、その思いもぜひともお酌み取りをいただきたいと思います。また、市長は、今後議会と真摯な議論をしていくお考えがあるんであれば、間違っても陳情の採択に縛られることはないというようなことはおっしゃらないでいただきたいと思います。
 次に、中学校給食についてお伺いいたします。
 まず、申し上げておきたいのは、デリバリー方式は選択制を前提とするものであり全員喫食にはそぐわないということであります。中学校給食の全員喫食の導入については、当初区長にその判断を任せておられたのが、急転直下市長が全区での導入を指示されたものであります。
 現在明らかになっている課題は当初から容易に予測されたことばかりであり、このような事態に陥ったのは橋下市長が拙速に事を進めた弊害にほかなりません。現在の給食にはさまざまな問題があります。例えば配膳の問題、昼休みの時間への影響の問題、アレルギー体質への対応の問題、量の問題、異物混入の問題、衛生上の問題等々があります。もしも全員喫食を主張するのであれば、こういった全ての問題に対する対応が必要であることは言うまでもありません。事態の改善のためには、まずもって選択制に戻すという英断を下すべきであると考えますが、市長の御見解をお伺いします。
A

橋下徹市長

 選択制に戻すなんて最悪のそんな判断はできません。今の全員喫食で喜んでる保護者はたくさんいますから、もちろんここで問題点になっているところは改善はしていきますけれども、このことによって負担が軽くなったといって喜んでるお母さん方をまた苦しめるようなことはしません。
 また、全員喫食のやり方でデリバリー方式が問題だというんであれば、それは自校方式ということになるんでしょうけども、そうであれば先ほども言いましたけど、ごみ収集事業の民営化とか地下鉄の民営化に早く賛同していただいて、財源さえ確保させてもらえれば幾らでもこれ理想に近づいていけるわけですから、まあ財源の問題も何も言わずに反対だ、反対だと言って実行しない、口ばっかりで何もそれをやらないという先生も僕は嫌われていると思いますよ。ぜひ財源確保について一緒になって改革案件を進めていって財源確保して、そしてその上で後戻りするんじゃなくて理想に向かって前に向いて進んでいきましょう。お願いします。

Q
 さまざまな対応策に時間がかかるのは間違いありませんので、やはり選択制に戻るのが正しい判断だと考えます。喜んでるお母さんも選択制では食べさせることができます。
 次に、市立幼稚園の民営化についてお聞きします。
 昨年11月、市立幼稚園19園を廃止する条例案に対して議会は5園の条例を可決するという結論を出し、同時に14園については否決いたしました。この結果はこれまでの59園の市立幼稚園全てを最終的に廃止、民営化するという方針を否定すると同時に、その過程において各区から1園を出せというノルマを課すような考え方を否定したものであります。それにもかかわらず、わずか半年足らずの間に否決されたばかりの14園を廃止、民営化するという案が出されたことは全く理解ができません。
 あわせて今回の補正予算案には私立幼稚園における要支援児の受け入れ促進に係る予算が計上されておりますが、その実効性は不明であり今回の廃止、民営化を進める議論の決め手にはなりません。これまでの議会での議論や、区や市における幼稚園関係者協議会での議論によって支援を要する幼児の受け入れ体制、小学校との連携や地域との関係など市立幼稚園がこれまで担ってきた公的な役割や必要性がより明確になってきたものと考えます。
 少子化や保育との関係、さらには多様化する幼児教育の状況を鑑み、11月に我々も苦渋の選択をし5園の条例案の可決という結論を出しました。我が会派としては、今後の市立幼稚園のあり方について一旦立ちどまり中長期的な視点で見る必要があると考えます。14園の民営化の着手時期など小手先だけの見直しでは、本質的な課題については何ら解決されません。今後とも私立幼稚園との協議も深めながら大阪市において市立・私立両幼稚園がそれぞれのよさを生かすような方向にかじを切られるべきと考えますが、市長の見解をお伺いします。
A

橋下徹市長

 議員は市民の皆さんの心情を酌み取るのがすごい得意な議員だと僕は聞いておりまして、給食が選択制になるとやっぱりどうしても弁当持参にせざるを得ないというお母さんの心情も多分議員はわかってらっしゃると思いますので、なぜ全員喫食にしたかというと、やっぱりお母さん方の心理があるんです。選択制になった場合に、自分のところだけデリバリーをとるというのはなかなかそういうのが難しいという声がすごいあるのでこういう全員喫食にしました。恐らく議員は本来のお母さんの心というのを知った上でああいうふうにわざと質問されているんだと僕は思ってますけれど。
 市立の幼稚園の民営化についてなんですが、これは議会でいろいろ御議論があったことを踏まえて当初の計画を相当見直しております。これは確かに議会からの御指摘が合理的なところがたくさんありまして、協議会をつくったところとか、それから59園一気に計画を出すというところを三段階に分けたりとか、これはいろいろ議会での議論を踏まえて変えていったところもありますが、ただ、これも先ほど述べましたけれども、議員には有権者の心情を読み取る力もあると同時に他都市との比較というところもしっかりやっていただけるものと思ってますので、大阪市の異常な状態というものをこのまま継続するのかどうかですよ。他の政令市の数見てください、大阪市だけ異常ですから。何度も言いますけども、浜松市は市町村合併に基づいてふえた、岡山市の場合には私立の幼稚園が少ない、こういう状況の中で確かに公立幼稚園の役割があるということがはっきりすれば、そこはしっかりとその役割というものは認めていかなければいけませんけれども、59園あるうちの19園ないし20園、もっと言えば半数を民営化していくというのはこれはもう全国の流れなわけですから、何で大阪市というのは全国の流れとか時代の流れに対して反対のほう、反対のほうばっかり行くのかが僕は本当にわからないです。政令市でなぜ公立の幼稚園を民営化していってるのか、他都市との議員間の意見交換というものをしっかりやっていただきたいと思ってます。

Q
 市長、まずは幼稚園関係者協議会での議論を尊重するべきではないでしょうか。それに保育所の民営化に比べて丁寧さが欠けていることは致命的であると考えます。我が会派はこの案には明確に反対であります。
 次に、地方自治法改正案と大阪にふさわしい大都市制度についてお伺いします。  本市では橋下市長就任以後、条例に基づく大阪にふさわしい大都市制度推進協議会や法に基づく大阪府・大阪市特別区設置協議会で将来の大阪にふさわしい大都市制度を協議してまいりました。しかしながら、我が会派としてはこの間の協議の中で特別区の区割りによる職員体制、合意形成、再編コストのあらゆる点で人・時間・金の無駄が発生していること、地方交付税に頼っている大阪では財政調整制度の構築が極めて困難であることなど、新たな特別区の設置すなわち大阪都構想は既に頓挫することが明らかになってきたものと認識をしております。
 現在、国会で審議中である地方自治法改正案は、例えば区の事務所が分掌する事務を条例で定めることや総合区制度の創設等、都市内分権強化のための具体的方策などが盛り込まれている点で現実的な制度改正と考えており、本日はこの改正案のうち総合区制度について会派としての考え方を述べ、後ほど市長に見解を伺います。
 さて、この総合区制度により例えば大阪市域を5つの総合区に再編することは理屈的には可能ですが、特別区の区割りと同様の問題が生じます。また、改正案では意見表明権とされている区長の権限を仮に市長が主張するように予算編成権として実質的に与えるということになれば財政調整の問題が生じます。すなわち、これまでの特別区設置の議論と同じ道をたどることになることは明白であり、別の手法により都市内分権を進めることが重要であります。橋下市長が大都市局に作成を指示されておると聞いております24区全てを総合区にすることは、コストがかかって非効率であり現実的なものではないことは初めからわかり切ったことであります。しっかりと市会で議論した上で、例えば市内中心部の商業地域が集積する区や20万規模の人口を有する区など、現在の行政区のうち幾つかを総合区のモデルケースとするなど現実的な方策を検討するほうが市民に不安を与えないのではないでしょうか。
 市長は、この間、区シティマネジャー制の導入など現行制度のもとでの区政改革を精力的に行っておられますが、今回の総合区制度では、総合区長が指定都市を代表して包括的に執行できる事務が新たに法令や条例によって定められるため、さらに都市内分権を進めることができます。市長は、地方自治法改正案を先日、日本維新の会が提出した修正案を含めて特別区の対案として位置づけ、府議会や市会での対立軸とし、最終的に市民に対し択一的な選択を求めようとされておりますが、我々は大阪にふさわしい大都市制度の構築に向け大阪府と大阪市あるいは市長と議会が対立するべきではないと考えております。
 その中で、総合区制度についてはいわゆる都構想の対案としてではなく、今できる改革を着実に実施するための具体的な方法の一つであると考えます。いつまでも特別区設置を前提とするのではなく現実的な議論を行っていくべきと考えますが、この点についての市長の御見解をお伺いします。
A

橋下徹市長

 いつまでも特別区設置を前提とするのでなくという御意見をいただきましたが、自民党の皆さんに僕が言いたいのは、いつまでも特別区設置に反対するのではなくみずからの具体的な案を出していただいて、そして僕が出してる特別区設置の案と、それから自民党が考える自治法改正に基づいた案を比較して、そこで現実的な議論をするのが一番いいじゃないですか。仮に自治法改正案に基づく案をつくっても僕は反対ばっかり、あら探しばっかりしますよ。今まで大阪都構想についていろんなところであら探しをやられたのと同じように自治法改正案についてだってあら探ししようと思ったら幾らでもできるわけですから、だから社会制度なんていうのはあら探ししようと思ったら幾らでも出てくるわけですから2つを比較してどっちがいいのか、それとも現状がいいのか、そういう比較優位の議論をやらなきゃいけないと思います。
 ですから、自治法改正に基づいて机上の論にならずに、自民党の皆さんは自治法改正案で総合区をやれば何かすごい区が誕生するというように思っているのかもわかりませんが、現実に案をつくれば今の公募区長制度と何ら変わらないと僕は思っています。今やってる公募区長制度をそのまま追認したのが自治法改正ですから、自治法改正が成立したからといっても今の公募区長制より都市内分権が進むなんていうことはあり得ないと僕は思ってます。だから、都市内分権が進むというんだったらぜひ自治法改正案を使ってこういう総合区になりますよということを出してもらいたい。そうやれば特別区設置と総合区のほうとどっちがいいのか、総合区と幾ら言っても今の公募区長制と今の公募区長の区と何ら変わらないので僕はそれは比較をしていくべきだと思ってます。自治法改正で何かすばらしい都市内分権が進むなんていうのは幻想でして、今の大阪市の公募区長制度、ここまでは何とか進めていこうというのが自治法改正案の趣旨ですから、それを考えれば大阪においてはこんな自治法改正案なんていうようなこんな法律なくても、今十分この法律が想定してる都市内分権は公募区長制で実現できております。

Q
 残念ながら、我が会派は対案等は考えておりません。きょうの朝刊でも、維新の会の全体会議で松井幹事長が大阪都構想、来年4月は困難と発言されたとありました。市長は大変頭のいい方でいらっしゃいます。私たちの指摘についても当然理解もしておられるし、都構想の実現が困難なことも私たちよりも早い段階で気がついてらっしゃると思います。しかし、市長は本日のぶら下がりで都構想のスケジュールに変わりはないと発言されたと伺っております。スケジュールが間に合わないのは維新以外の政党の責任にし、対立の構図を描きたいだけではないのですか。
 いずれにしても、都構想は来年の統一地方選挙のための単なる手段になったのではないでしょうか。大都市制度で100%完璧な制度はありません。だからこそみんなの英知を結集させる必要があります。私たちは都構想への対案としては過去、特別市構想を掲げておりました。しかし、都構想は府・県のエゴ、特別市は政令市のエゴとの考えから不毛な対立やけんかではなく、府と市が未来志向で協調するという道を考えました。それが前回の統一地方選において我が党が府議も市議もともに訴えてきた大阪広域戦略協議会であります。この考え方は、現在国会で審議中である地方自治法改正案に調整会議として反映されていると考えております。
 最後にもう1点お尋ねをいたします。
 出直し市長選の際に再編効果と現状維持を比較したとされた3色のグラフを記載した資料をたびたび目にしました。この資料は第10回法定協議会に提出された財政シミュレーションの北区・中央区分離の5区案を参照して作成されたようであります。市長選挙で利用された資料では、平成45年度までに現状維持では約2,323億円の赤字が積み上がり再編効果額は約2,917億円、活用可能財源は約1,375億円とされております。再編効果額や活用可能財源に対してはいろいろと申し上げたい点はありますが、この場では現状維持で赤字が積み上がるとする数字について、いかにおかしい数字で市民に誤解を与えるものかを明らかにするため、いま一度財政シミュレーションの数字とその考え方を確認させていただきます。そもそも財政シミュレーションの見通しはどのようなデータをもとに試算したのでしょうか。大都市局長にお伺いします。
A

山口信彦大阪府市大都市局長

 昨年12月6日の第10回法定協議会でお示しをいたしました財政シミュレーションにつきましては、毎年大阪市で公表しております今後の財政収支概算、いわゆる粗い試算の平成25年2月版をベースに作成したものでございます。これに平成25年12月時点で反映可能な変動した要素、例えば人事委員会勧告に基づく給与改定などを反映させた上で通常収支不足額に府市再編に伴うコスト、効果額を加えることによって新たな広域自治体と特別区それぞれの収支状況がどうなるのか、そういうものを算定したものでございます。

Q
 財政シミュレーションの数字は、大阪市の粗い試算平成25年2月版をベースに修正を加え試算したものということであります。さらに申し上げると、4つの区割り案を比較するために一定の前提条件のもと算出したものであり、使用目的が違うわけであります。市長選の資料における現状維持のグラフはその粗い試算ベースの収支差を積み上げて、あたかも2,323億円の赤字ができると見せかけているものであります。しかしながら、そもそもこの数字のもととなっている通常収支不足は補填財源を活用しない場合の収支不足であり、粗い試算にも書いているように、これは収支改善の目安を一定の前提により試算したものということであります。そして当然のことながら、実際の予算編成においてはさまざまな改革に取り組むとともに補填財源も活用して収支が均衡するように予算が編成されており、不用地売却代560億円、財政調整基金1,644億円といった補填財源で対応が可能な範囲であればその年度には赤字は生じないはずであります。つまり、2,323億円という数字は現実的にはあり得ない数字だと言わざるを得ません。
 また、この資料では都構想が実現しなければ平成45年度までに2,323億円の赤字、莫大な借金と表現をされておりますが、大阪市はこれまでも財政健全化に向け行財政改革に取り組んできており、実際に26年4月版の粗い試算では平成35年に通常収支不足は解消される見込みであるなど着実に改善の方向に進んでおります。それにもかかわらず都構想を実現しないと赤字が積み上がっていくグラフを使って市民に訴えかけることは、市民の不安をあおり誤った結論へ導くものだと指摘をしておきます。市長御自身が市長選でこの3色のグラフが都構想の全てであるとおっしゃったことが、すなわち先ほども申し上げたとおり都構想が頓挫することが明らかになったという一つの大きな根拠であります。
 以上、各項目にわたり質問をさせていただきました。我々は市政の発展や市民の生活のため市民から選ばれた市長と市民から選ばれた議会が緊張感のある協調関係の中、しっかりとした議論をしていきたいと考えております。詳細につきましては各常任委員会に譲ることとし、私の質問を終わります。ありがとうございました。
A

以上で、本日の質問は終了いたしました。